光が死んだ夏の元ネタについて様々な憶測がネット上で存在します。
元ネタなんか本当にあるの?
なぜか本屋で『チェンソーマン』のコーナーで『光が死んだ夏』を薦めるポップがあったよ!(実話)
この記事では光が死んだ夏の元ネタについて考察する。
まず、作者であるモクモクれん先生へのインタビューにて下記のように語られている。
ーー特にお気に入りのホラー作品を教えてください。
モクモクれん:『ほん怖』(ほんとにあった怖い話)はかなり見ていました。あと『新耳袋』というテレビドラマも大好きで、この辺りは結構影響を受けているなと。あと、映画『来る』と、その原作『ぼぎわんが、来る』や『ししりばの家』とか澤村伊智さんのホラー小説が大好きです。もう“ぼぎわん”とか“ししりばの家”とか単語からして「え、なに?」って感じがして怖いじゃないですか(笑)。怪異というか、いわゆるお化けの表現に“説明されない気持ちの悪さ”みたいなものがある作品が好きなんです。
real sound 『光が死んだ夏』作者インタビューより引用
https://realsound.jp/book/2022/07/post-1067327.html
◆光が死んだ夏の元ネタは?影響を与えたのは『ほん怖』と『新耳袋』?
『光が死んだ夏』3巻の宣伝用ポスターです!
— 光が死んだ夏【公式】 (@hikarugashinda) June 3, 2023
今回は3巻と同じ黄色がベースになっています。
書店様で見かけた際はよろしくお願いいたします!#光が死んだ夏
※こちらのポスターは店頭宣伝用になります。販売はございません。 pic.twitter.com/bHqqXGdkwT
『ほん怖』とはいえば1999年から不定期に放送されており、毎回オムニバス形式で実録心霊ドラマが展開されている。稲垣吾郎さんが館主役で印象深い。コアなファンも多いだろう。
『新耳袋』は、現代社会に潜む不可思議な現象や存在を描いた怪談集。1話5分で構成されるショートフィルム形式でドラマ化されており、2003年2月の放送開始以降、断続的に5シリーズが放送された。
光が死んだ夏の独特の間や、オノマトペを多様した演出はこれらのザ・ジャパニーズ・ホラーに影響を受けていることは間違いない。光が死んだ夏のベースにあるのは怪談だ。
でも、「元ネタ」っていうほどのものじゃないよね、ぶっちゃけ
あぁ、うん……
◆光が死んだ夏はチェンソーマンに似ている?共通点は?
「光が死んだ夏」第17話-1
— モクモクれん (@mokmok_len) May 2, 2023
更新されました!
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インターネット上では「光が死んだ夏の元ネタはチェンソーマンでは?」という意見も多数ある。
・絵が似ている?
絵のタッチやキャラデザが割と似ている。デンジとヒカル、アキとよしきが特に似ている、のかもしれない。
背景の描写など画風も似ている。
・ダークな世界観、作風が似ている?
悪魔と呼ばれる存在が日常に蔓延る世界でデビルハンターになった主人公を描いたチェンソーマン。まさにダークな世界観は共通している。
ただし、光が死んだ夏は”得体のしれない何かが日常のすぐのそばに潜んでいる”恐怖感があり、これはまさに本の怪談的な恐さといえる。
・大切な人がいなくなる(死を意識したストーリー)
どちらも”大切な人の死”が描かれている。チェンソーマンは特に死にまくる。
でもどちらも「単純な死」を描いているわけでない点がおもしろい。光が死んだ夏では、そもそも光が本当に死んだのかも明かされていないのである。幼馴染が”何か”に入れ替わったけど、入れ替わる前の光はどこにいったのだろうか。ある意味それは単純な”死”より恐ろしさがある。
また、チェンソーマンでは”死”はあっけなく訪れる。それはもう準主人公クラスでもあっけなく死ぬ。重要キャラを死なせ過ぎて2期はいまいちな状況になるほど死ぬのである。そして悪魔は輪廻転生するなど、独特の死生観で描かれている。
・セリフが無いシーンに意味をもたせる 独特の間がある。
これはジャンルは違えど作者がホラー好きという点が理由かもしれない。
チェンソーマンの藤本タツキ先生もホラー映画好きで有名。は単行本のコメントにて『悪魔のいけにえ』や『へレディタリー/継承 』が好きということを公言されていた。
どちらの作品も独特の間というか引きがある。特にチェンソーマンはセリフがないシーンが多様されていて、そのなんの意味もなさそうなシーンに伏線が散りばめられたりしている。
しかしモクモクレン先生が「チェンソーマンを好き」という情報は見つからなかった。
作風は似ているけど、元ネタってわけではなさそう
ただチェンソーマンの作者である藤本タツキ先生は、現在の漫画シーンに多大な影響を与えていることは間違いない。特にジャンプ+で読み切りを書いている新進気鋭の作家たちへの影響は本当に大きい。
もしモクモクレン先生が影響を受けていたとしても何ら不思議な話ではないのである。
◆スワンプマンが元ネタ?
「光が死んだ夏」第13話-1
— モクモクれん (@mokmok_len) October 11, 2022
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ちなみにおまけの4コマは二巻の描き下ろしの後日談です。
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スワンプマン(沼男)とは1987年にアメリカの哲学者ドナルド・デイヴィッドソンによって提唱された思考実験、らしい。
- ある男がハイキング中に、沼の傍で雷に打たれて死ぬ。
- 沼の泥から死んだ男と同じ見た目でしかも同じ記憶を持つ存在が生まれる→沼男と呼ぶ
- 沼男は性格や感性、趣味すら死んだ男と同じ
- 沼男自身は「雷に当たったが奇跡的に生還した」と思い込んでいる。
この場合沼男は死んだ男と同一人物といえるのか
哲学的な話となるが、似たような話で「テセウスの船」がある。
「テセウスの船」とは、船を構成している部品などがすべて入れ替わってしまっても、全く同じものであるといえるのかと問う、アイデンティティの思考実験だ。
まさに光が死んだ夏のモチーフとなったのではないだろうか。
◆tiktokで以前バズった動画の元ネタは光が死んだ夏だった
「俺のこと好きか、めっちゃ好き」という動画が以前tiktokでバズった。元ネタは「あぢ」さんという方の動画らしい。
セリフは『光が死んだ夏』コミックス発売PVから切り取られたもよう。
アキ「…お前俺のこと好きか?」
ヒカル「…好きや。めっちゃ好き」
ちなみにこの公式PVのセンスが良い。
◆まとめ
モクモクレン先生がチェンソーマンに影響を受けたかはわからない。どちらの作者も好きな作品が似てただけかも。
チェンソーマンハマった人は『光が死んだ夏』も楽しめるかも、その逆も然り。
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