女帝の武則天をモデルにした『レッドムーダン』が面白い 皇帝の忠愛を巡った女たちの壮絶な戦い あらすじ、ネタバレみどころを紹介

『レッドムーダン』は、園沙那絵による日本の漫画作品で、中国の女帝である武則天を題材としています。この作品は、『グランドジャンプむちゃ』にて2021年11月号から2022年5月号まで連載され、その後『グランドジャンプ』に移籍して2022年16号から連載が続いています。

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『レッドムーダン』は皇帝の忠愛を巡った女たちの熾烈な戦いが描かれています。戦いといっても武力での戦いではありません。後宮での政治的な戦いとなります。当然ライバルたちはあの手この手で武照を貶めようと画策します。

武則天の生涯を描いたこの作品は、中国史上唯一の女帝として知られる彼女の波乱に満ちた人生と、その背後に隠された様々な人間ドラマを中心に描かれています。

単行本第1巻が発売された際には、原泰久が推薦のコメントを寄せており、その内容からも作品の魅力や注目点が伺えます。

目次

『レッドムーダン』の簡単なあらすじ

『レッドムーダン』は、既に4巻まで発売されております。物語の中心は、武照という名の少女。彼女はもともと貧しい家庭で母とともに暮らしていましたが、運命のいたずらか、唐王朝の皇帝・李世民の後宮に仕えることとなります。後宮の中は、女たちの間での寵愛を巡る陰謀やいじめが絶えず、武照もその渦中に巻き込まれます。

一途なまっすぐな性格の武照ですが、彼女はただのヤワな女ではありませんでした。やられたらやり返す、そして頭脳明晰な一面も見せます。

彼女はその中で自らの才能や魅力を存分に発揮し、皇帝の注目を引く存在となっていきます。この物語は、後宮の中での武照の成長と彼女が直面する数々の困難、そして彼女の信念や野望を中心に展開されています。

主な登場人物 武照は「武則天」をモデルにしている

武照(ぶしょう):物語の中心人物で、後に武則天として知られるようになる女性です。
この作品は、武則天が13歳の時から彼女の人生の終焉までを追っています。彼女は多くの挑戦と困難を乗り越え、最終的には中国の頂点に立つ女帝となりました。『レッドムーダン』は、彼女の困難な道のりと、その中での彼女の成長を鮮やかに描いています。

特に、このマンガは「後宮もの」として知られるジャンルに属しており、後宮という女性だけの世界での権力争いや策略が織りなすドラマを中心に描かれています。武照は、若い頃に後宮に入ることとなり、そこでの生き残りをかけた戦いを繰り広げます。

彼女の魅力的なキャラクターと、後宮での熾烈な戦いが、読者を引き込む要因となっています。

最大のライバル 許旦陽

許旦陽は実力者の姪の后妃として登場し、とても可愛らしい容姿をしています。しかし、内面はかなり悪質で狡猾でした。実力で目立ち始めた武照に目をつけ、様々な手で武照を貶めようとします。夜の講義へと誘い、罠にハメようとします。

しかしこれが後宮で上り詰めるということなのかもしれません。しかし武照も黙ってやられるような女ではありませんでした。

四妃の一人 鄭賢妃

鄭賢妃は四妃の一人で、武照たちを指導する立場でもあります。とても美しい容姿をした鄭賢妃は、武照にとっても憧れの存在。そして厳しい一面はありますが、優しさも持ち合わせており良き理解者でもあります。夜伽の経験がない武照に手取り足取り教えることも!?

・『レッドムーダン』1巻

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黄金の龍の如く、“後宮”を駆け上れ――。7世紀の唐王朝。父亡き家を支えるため懸命に生きる少女・武照(後の武則天)。病気を患った母の為に奔走する武照だったが、貧困の魔の手が少女へ襲い掛かる――。中華史上唯一の女帝・武則天の生涯を描く、中華後宮ロマン開幕――!

集英社 レッドムーダン(1)より引用
レッドムーダン


・『レッドムーダン』2巻

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“後宮”…それは寵愛を争う女たちの合戦場――。大唐帝国第二代皇帝・李世民の後宮で序列最下位の“才人”として勤め始めた武照。地位が低く後ろ盾もない武照は先輩后妃たちから苛烈ないじめを受ける。そんな中、四妃の一人、鄭賢妃から才人たちに与えられた題目で武照は思わぬ才を見せ…!?

集英社 レッドムーダン(2)より引用
レッドムーダン


・『レッドムーダン』3巻

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夜伽を知らない少女、後宮で“なすべきこと”を知る――。 唐代最高峰の教育機関「内文学館」への入学を許された武照。老師によるスパルタ指導を受けながらも友と励ましあい、武照はめきめきと成績を上げていく。しかし、それを快く思わない実力者の姪の后妃・許旦陽に目をつけられた武照はある時、夜の講義へと誘い出され…!?

集英社 レッドムーダン(3)より引用
レッドムーダン


・『レッドムーダン』4巻

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夜伽の機会は誰の手に。一枚の簡が導く、后妃の運命――。 西域遠征より帰京した皇帝をもてなす慰労会、その夜の伽は初物の后妃の中から選ばれることになり、夜伽候補として、武照にも簡が配られる。鄭賢妃から教えを受けて、夜伽への苦手意識を克服した武照は慰労会で、皇帝・李世民と初めて対面するが…!?

集英社 レッドムーダン(4)より引用
レッドムーダン

『レッドムーダン』の見どころ

後宮で繰り広げられる壮絶な”女の戦い”

言ってみれば”女の戦い”です。とことん卑怯な手で攻めてくる許旦陽に怒りが湧きますね。そんな許旦陽に対して立ち向かう武照が時にはコミカルに描かれていて、物語に引き込まれます。

・歴史的背景

中国史上唯一の女帝として知られる武則天の生涯を基にした物語は、実際の歴史的背景とフィクションが絶妙に組み合わさっています。

・モデルとなった歴史上の「武則天」について

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武則天(Wu Zetian)は、中国の歴史に名を刻む唯一の女帝で、唐王朝の時代に君臨した特異な存在です。彼女の生涯と業績は、多くの議論の的となっています。

以下、武則天についての概要を簡潔にまとめます。

武則天について
  • 生年死年:約625年に生まれ、705年に亡くなりました。
  • 背景:彼女は元々貴族の家に生まれ、若き日に宮廷での仕事を始めました。初めは太宗の妃として、後にはその息子、高宗の皇后として宮廷での地位を築き上げました。
  • 女帝としての即位:高宗の死を経て、武則天は政治の舞台での主導権を握り、690年には自らの手で皇帝の座につきました。
  • 治世の特徴:武則天の時代は、政治改革や文化の発展が特徴的です。彼女は多くの有能な人材を起用し、国の繁栄に尽力しました。
  • 評価の分かれる点:彼女の統治方法は、強力なリーダーシップと巧妙な策略によって特徴づけられます。そのため、彼女に対する評価は賛否が分かれるところです。一部では、彼女の果敢なリーダーシップを評価する声もあれば、権力のための冷酷な策略を批判する声も存在します。
  • 武則天は、中国史における卓越した女性リーダーとして、その存在感と業績で今も多くの人々に語り継がれています。

人間ドラマ

後宮の権力争いや愛憎劇、政治の裏側など、様々な人間ドラマが織りなす複雑な関係が描かれています。
物語の冒頭で武照は、母を病気で失います。貧困のため治療費を払うことができず、遂には医者に売春までして母の手術費を稼ぎますが、結局は母は死んでしまいました。貧困の悲惨さ恐ろしさを身をもって知った武照は後宮で成り上がることを決意します。

しかし、後宮で権力争いに敗れた者は、一家揃って奴婢として身分を落とし、それは即ち死を意味します。後宮では味方もいますが、ほとんどがライバル、謂わば敵となります。そんな後宮での政治的な争いが本作のみどころの一つでしょう。

書き込まれた世界

作者・園沙那絵の繊細な筆致で、登場人物たちの感情や心情が深く描写されています。
このように、『レッドムーダン』は、歴史的背景と人間ドラマが絶妙に組み合わさった作品として、多くの読者から高い評価を受けています。

『レッドムーダン』にハマった人へのおすすめ漫画

・天幕のジャードゥーガル

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『天幕のジャードゥーガル』は13世紀ユーラシア大陸のモンゴル帝国を舞台に、魔女「ファーティマ」の生涯を描いた漫画です。物語は、シタラという奴隷の少女が学者の家に連れてこられ、学問の大切さを学ぶところから始まります。しかし、モンゴル帝国の襲撃により、彼女は捕虜として連行され、その後「ファーティマ」と名乗り、モンゴル帝国の内部での権力闘争や陰謀に巻き込まれます。作品は、シタラの成長や彼女の周りの人々との関係、モンゴル帝国の社会や文化、政治的背景を詳細に描写しており、読者はシタラが直面する困難や試練を乗り越えて成長していく姿に引き込まれます。歴史的背景とキャラクターの心の動きを巧みに組み合わせたこの作品は、多くの読者から支持を受けています。

・ヒストリエ

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『ヒストリエ』は、原泰久の手によるマンガ作品で、古代ギリシャの著名な歴史家ヘロドトスの青春時代を中心に描かれています。この物語は、ヘロドトスが古代の地中海地域を冒険する様子を詳細に描写しており、彼が異なる文化や民族の歴史や伝説に触れることで、後の「歴史」の執筆に向けた情熱を深めていく過程を追います。彼の旅路は、古代ギリシャの複雑な政治的背景や戦争、そして人間関係の中でのドラマと繋がっており、これらの要素が絡み合う中で、ヘロドトスの成長や彼の探求心が鮮やかに描かれています。『ヒストリエ』は、歴史的な事実とフィクションが絶妙に組み合わさった作品として、古代ギリシャの魅力を現代の読者に伝えるとともに、人間の普遍的な探求と成長の物語としても楽しめる作品です。

・大奥

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『大奥』はよしながふみの歴史マンガで、特徴的なのは江戸時代の男女の役割が逆転している点です。疱瘡の流行で男性が少なくなった世界を背景に、女性が武士として国を治め、男性が大奥で女将軍に仕えるという設定。物語は8代将軍・徳川吉宗の時代を中心に、大奥の中の権力闘争や恋愛、友情などの人間関係を描いています。この逆転の設定は、性別による役割の固定観念を問いかけるとともに、読者に新しい視点からの歴史の楽しみを提供。美麗な作画と深い人間ドラマが魅力の作品です。

◆まとめ

権力争いや愛憎劇はついつい感情移入してしまいますね。後宮という閉ざされた世界で繰り広げられる人間ドラマである『レッドムーダン』はこれからもっと盛り上がることでしょう。最終的に女帝になるとは思いますが、そこまでの過程が描かれている本作は見逃せませんね。

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