名作『彼氏彼女の事情』は鬱作品だった?アニメ版カレカノがひどいと言われる理由

『彼氏彼女の事情』 は1996年から2005年まで「LaLa」にて連載された、云わずとしれた有名作品です。
まさに平成を代表する少女マンガと言っても過言ではないです。

通称カレカノと呼ばれた本作は、外見と成績が完璧な高校生「宮沢雪野」と「有馬総一郎」の二人の出会いから始まります。

雪野は家ではだらしなく、有馬は過去の家庭の問題に苦しんでいます。そんな”優等生”を演じていた二人は互いに惹かれ合い、徐々にお互いの本当の姿を受け入れていく過程が描かれています。

そんなカレカノですが、『彼氏彼女の事情』で検索すると「鬱」というワードがサジェストされます。

果たしてカレカノは鬱作品だったのでしょうか。

目次

■そもそも『彼氏彼女の事情』 ってどんなストーリーだった?

宮沢雪野は、容姿端麗で成績優秀ながら、実際には見栄っ張りの優等生です。彼女は有馬との出会いを通じて、ありのままの自分で生きることを決意します。

一方、有馬総一郎は名家出身で優等生を演じているが、実は虐待や育児放棄された過去を持っています。彼は雪野との出会いにより、自分の内面の感情に気付き始めます。

物語の初め、雪野は有馬に対して異様な対抗心を燃やしますが、彼に自分の本来の姿を知られてしまいます。二人はお互いの秘密を共有し、友人となります。

その後、些細なことをきっかけに惹かれ合い、恋愛関係へと発展していきます。有馬は雪野との関係を通じて、自分の過去に向き合えるようになります。

『彼氏彼女の事情』は、虐待や育児放棄などの社会問題が登場人物の過去の経験として取り上げられていますが、作品全体の雰囲気は重くなく、ギャグ的要素も含まれています。

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有馬のコンプレックスは特別!? その悲惨な生い立ちとは

amazonより画像引用
彼氏彼女の事情

有馬は、外見上は理想的な高校生ですが、彼の内面は複雑です。名家に生まれた彼は、自分の暗い過去、特に家族に関する問題を隠しています。雪野との関係を通じて、有馬は自分自身の内面と向き合い、過去の問題に対処するようになります。

有馬の実父、怜司は父・怜一郎の愛人の子として生まれ、一族から冷遇されました。彼は父から受け継いだ才能を持ちながらも、愛人の子という立場から苦悩します。非行に走り、涼子という女性との間に望まれない子どもをもうけます。その子が総一郎でした。

怜司は有馬家の遺産を受け継ぐことができず、涼子は総一郎の育児を放棄します。その後怜司は総一郎を見つけ、総司に彼を託しました。

しかし総一朗は幼児の頃に受けた心の傷を、背負い続けることになったのです。

『彼氏彼女の事情』は虐待や育児放棄などの社会問題を取り扱っており、生々しい心理描写もあります。

そういった面が「鬱」作品として映ってしまったのかもしれません。

テーマは重いですが、少女漫画らしい明るい学校生活もたくさん描かれており、各登場人物がどんどん成長していく前向きなストーリーとのバランスが傑作と呼ばれる所以でしょう。

■コンプレックスに苦しむ登場人物たち

カレカノに登場する人物は明るくて人気者が多いのですが、内面にはそれぞれ大きな悩みを抱えている人物ばかりです。

例えば芝姫は男性恐怖症な一面がありますが、父親の再婚で一馬という同い年の義弟ができます。
男性が苦手な芝姫にとって悪夢でしたが、次第に一馬に心を開いていきます。

十波は幼い頃デブでいじめられていました。しかし、自分を甘やかす家族への反発と椿への復讐心を糧に、努力を重ねて美形男子に変貌します。彼女は正体を隠して椿に近づき、当初は復讐を目指しますが、椿の素直な性格に触れ、彼への本当の感情に気づき、最終的には恋人関係になります。

雪野は、他人からの評価を重視し、完璧を求めることで自己価値を確立しようとします。彼女のこの行動は、他人からの認知と賞賛を求める虚栄心から来ています。しかし、有馬との出会いを通じて、彼女は自分自身の真の姿を受け入れ、他人にもそれをさらけ出すようになります。

しかし他のキャラクターとは比較にならないほど、有馬総一郎のコンプレックスは重く、それは彼の非常な生い立ちによるものでした。

■庵野監督によりアニメ化され、さらに鬱作品に!?

実はカレカノは1998年にあの庵野秀明監督によりアニメ化されており、そのアニメは庵野節バリバリの作風でした。
当時はあのエヴァンゲリオンブームの真っ只中。エヴァは深夜アニメとはいえ、当時地上波でよく放送できたなと言えるほど
過激な描写(グロ含む)が多く、各登場人物の精神描写が多様され、後の作品に多大な影響を与えました。

アニメ版カレカノも、かなりエヴァに作風が近く、元々原作も各キャラの内面を描いたものだったこともあり、精神描写が多いです。
この点が「鬱作品」というイメージを加速させたのかもしれませんね。

とはいえアニメ版もコミカルなシーンもたくさんあって、個人的にはかなり楽しい作品だった印象があります。
井上陽水の名曲「夢の中へ」がED曲として採用されたのも印象的でしたね。

それでも普通の少女漫画を読んできた女の子が、この作品を見るとショックを受けてしまうのかも。

■アニメ版は酷い出来だった!?打ち切り!?

アニメ版は打ち切りではありませんが、ひどい出来だったという意見が多々あります。

当時原作は完結していなかったこともあるのですが、それにしても無理やり終わらせた感は否めません。

地上波エヴァの最終回も、正直ファンが見ても意味不明な終わり方をしていましたが、制作スタッフも同じだったようで

庵野監督とガイナックスの悪いところが出たのかもしれません(受け止め方は人それぞれですが……)

読者の反応

カレカノは今でも根強い人気があります。時代を超えた名作と言えるのではないでしょうか。

ここではカレカノの読者の反応を紹介します。

ファンの声

「彼氏彼女の事情」は、まだ本編が始まっていないのに「これは庵野秀明の作品だ!」と感じさせる魅力があります。庵野秀明だけでなく、今石洋介の演出も見られるのが素晴らしいです。ちなみに、全く関係ないですが、「ぼっちざろっく」が面白い理由も、改めて理解できた気がします。

この漫画「彼氏彼女の事情」は、小学生の頃に近くの図書館で読んでいたことを思い出しました。最近、また最初から読み返しているんですが、やっぱり好きだな。

ファンの声

「彼氏彼女の事情」のエンディングが好きです。たまに鈴木千尋の声を聴きたくなります。

「彼氏彼女の事情」が気になっています。監督が庵野さんって、どうしてなんでしょう?見てみたいです。絵柄も可愛すぎますね。

■まとめ 『彼氏彼女の事情』のテーマは鬱なところもあるけど…傑作であることは間違いなし!

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アニメ版に賛否はありますが、実は原作も終わりに近づくにつれかなり重い展開でした。

というのも有馬の豹変ぶりや、雪野に対する態度の変化が見ている側はかなりきついんですよね。

ここらへんも鬱作品と呼ばれる理由かもしれません。

そういう意味では、カレカノという作品は、有馬が精神的に成長して、過去を振り払い本当の幸せを掴むまでの物語でした。

そしてその幸せは雪野がいなければ絶対に実現しなかったでしょう。

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