『降り積もれ孤独な死よ』の犯人は誰?黒幕や動機についてネタバレ考察感想

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目次

『降り積もれ孤独な死よ』の犯人は誰?

主要な登場人物

冴木仁は虐待の過去を持つ警察官で、この事件で腹違いの弟・瀧本蒼佑が関係者として浮上し、真相解明に尽力します。

一方の容疑者は灰川十三。40代半ばの豪邸の主で、地下室から多数の子供の遺体が出てきたことで指名手配されました。

しかし彼の養女・蓮水花音は灰川の無実を主張し、事件のカギを握る人物となります。花音は4年前から十三の元で暮らしていた孤児の一人でした。

あらすじ

冴木刑事が屋敷の捜査中にDVDを見つけ、そこには地下室で餓死した13人の子供たちの惨状が収められていました。屋敷の持ち主・灰川十三は指名手配されますが、養女の花音は彼の無実を訴えます。実は十三は19人の孤児を育てており、その中に冴木の弟・蒼佑もいたのです。しかし逮捕された十三は罪を自白してしまいます。

真相にたどり着こうと、冴木と花音は十三の「兄弟」たちに接触しますが、彼らには全員アリバイがありました。そんな中、冴木自身の過去の虐待と暴行事件が発覚します。十三と面会を試みるも、彼は刑務所内で命を落とし、事態は更に混迷を深めていきます。

灰川十三の謎

ネタバレを含みます

主人公の冴木仁は、過去に父親から虐待を受けた経験から、子供への虐待事件には並々ならぬ思いを抱いています。そして今回、腹違いの弟・蒼佑が事件に絡んでいることから、個人的にも事件解決への思いが強くなっています。

一方の容疑者・灰川十三は、見かけとは裏腹に孤児たちを可愛がっていた人物でした。しかし最終的には自らが犯人だと自白してしまいます。この矛盾が謎のカギとなっています。

そして事件の核心を知る花音は、かつて十三に育てられた孤児の一人。父としての十三の面目を存じており、彼の無実を信じて疑わずにいます。真相にたどり着くためには花音の存在が重要なカギを握っているのかもしれません。

各エピソードの犯人

灰川邸事件

事件の詳細と背景

この一連の惨事は、窃盗の通報から始まりました。警察が灰川邸を捜査中、地下室から無残な光景が現れたのです。13人もの子供たちの遺体が転がっていたのです。邸主の灰川十三は逮捕され、この惨劇への関与を自ら認めました。しかし、数人の証言者が灰川の無実を主張し、事態は一転します。更に灰川が拘置所で殺害されてしまい、真実はより謎に包まれてしまいました。そして新たな容疑者、灰川の実子を名乗る警察官・鈴木潤が浮上します。鈴木は誘拐した瀧本蒼佑の前で、自らが子供たちを閉じ込め、餓死に至らしめた犯人であることを告白したのです。

犯人とその動機

犯人は鈴木潤でした。彼の動機は、生みの親である灰川十三に捨てられたことに対する復讐心でした。血の繋がりのない多くの子供たちが、十三の元で幸せに暮らしていた現実に、鈴木は嫉妬と憤りを感じていたのです。

蓮水花音殺人未遂事件

事件の詳細と背景

灰川十三の無実を信じ、警察の捜査に協力していた蓮水花音が、突如として駅のホームから線路へと突き落とされる事件が発生しました。花音には他に恨みを持つ者がいないことから、この事件は灰川邸事件の真犯人による犯行と見られています。ただし、鈴木潤の手口とは異なることから、瑕面の男こと”リッカの悪魔”の犯行である可能性も浮上しています。現在のところ犯人は未特定ですが、鈴木潤または瑕面の男の所業と推測されているのが現状です。

犯人とその動機

犯人は鈴木潤か、もしくは瑕面の男です。動機は十三の子供たちへの復讐または、リッカの悪魔の正体に関わる何らかの理由からの殺人うと考えられています。

瀧本蒼佑殺害事件

事件の詳細と背景

主人公・冴木仁の弟である瀧本蒼佑が、灰川邸事件の真犯人である鈴木潤に誘拐・監禁されてしまいます。鈴木は瀧本を餓死させるつもりでいましたが、ある日、監禁場所に瑕面の男が現れます。この男は鈴木を脅し、警察の監視を逃れさせてしまいます。その後、この瑕面の男が瀧本に発砲し、殺害してしまったのです。鈴木が設置したビデオカメラがこの一部始終を記録していました。弟の死は、冴木を深く傷つけることになりました。

犯人とその動機

犯人は瑕面の男です。しかし、この男の動機は未だ明らかになっていません。リッカの悪魔の正体に関わる何らかの理由からの殺人だと推測されています。

蔵土事件

事件の詳細と背景

さらに30年前、灰川十三の故郷・蔵土の村で、村人33名が惨殺される大量殺人事件が起きていました。犯人は顔に瑕のある男で、犬山秀二とされています。しかし、この男は自殺を遂げており、本当に犬山秀二だったのかは定かではありません。事件後に残された疑問点です。この蔵土事件と灰川十三、そしてリッカの悪魔がどのように関わっているのか、真相は未だ闇の中にあります。

犯人とその動機

表向きの犯人は犬山秀二ですが、村人たちを殺したのは灰川十三と犬山秀二です。また、十三が犬山秀二を殺した可能性も捨て切れません。表向きは犯行に及んだ犬山秀二が自殺したことになっています。

ストーリーの重要なポイント

灰川十三は子供たちを殺してはいなかった

物語の冒頭、灰川十三は灰川邸事件の犯人として逮捕されましたが、実は真犯人ではありませんでした。むしろ彼自身が刑務所内で殺害される身となり、自らが犠牲になることで実の息子である鈴木潤を守ろうとしたのかもしれません。十三の無実を主張する者たちの言葉が重みを増します。真相は別の所にあったのです。

鈴木潤は自分が捨てられたことを憎んで子供たちに復讐した

結局、灰川邸の子供たちを閉じ込め、餓死に至らしめた犯人は鈴木潤でした。彼の動機は、生みの親である灰川十三に捨てられたことへの復讐心でした。十三が血の繋がりのない多くの子供たちと幸せに暮らす姿を目の当たりにし、嫉妬と憤りに狂ったのです。

リッカの悪魔とは?物語の原点は蔵土事件

物語の根底に潜む大きな謎が「リッカの悪魔」です。これは灰川によれば、かつて灰川の故郷・蔵土で信仰されていたカルト的な信仰と関係していると予想されます。蔵土には子供を攫って育てるが最終的には殺す、村の忌まわしき風習があったことが明かされました。リッカのマークは生存者の体に残されており、蔵土事件との関連が濃厚です。30年前の蔵土事件こそが、この物語の原点なのかもしれません。

まだ明かされていない謎

黒幕は瑕面の男?

度々現れる顔面に深い傷を持つ瑕面の男。この男の傷跡は、かつて蔵土事件の犯人とされた犬山秀二のそれと一致しています。この男こそが黒幕なのでは?との疑惑が濃厚です。

瑕面の男は犬山秀二の息子?犬山秀二の関連性

しかし、犬山秀二は蔵土事件の際に自殺したはずです。生き残っていたわけではなく、もしかすると息子がいたのか?犬山秀二と瑕面の男の関連性が、真相の鍵を握っている可能性があります。

瑕面の男がいった「ようやく見つけたぞ、六つの花」とは

「六つの花」という言葉は何を指すのでしょうか?灰川邸で育てられていた子供たちが関係しているのかもしれません。彼らの1人、沖島マヤの背中にはリッカのマークのタトゥーがあったことから。

犬山秀二は本当に蔵土事件で死んだのか

事件の詳細と犬山の生存説

蔵土事件で発見された犬山秀二の死体は、顔面が潰されており本人確認は困難でした。つまり別人の可能性も残されています。もし別人だったら、犬山本人が生き残っていた可能性さえあるのです。

瑕面の男の目的と蔵土事件の関連性は?

瑕面の男の計画とその目的

瑕面の男は「六つの花」を探していますが、その目的はまだ不明です。ただし、この男が、蔵土との関連が深いことは間違いありません。しかし、なぜ灰川家の子供たちをターゲットとしているのか、その理由は分かっていません。

灰川十三と鈴木潤は本当に親子なのか。鈴木潤を捨てた理由

遺伝子検査では親子関係が示されているものの、灰川十三が無精子だったことも判明しています。この矛盾はどう解釈すべきなのでしょうか。もし本当に親子だったとしたら、鈴木潤を捨てた理由こそが、この物語の核心に関わってくるに違いありません。

灰川十三がたくさんの子供を館で育てていたのは禊のため?

関係の真相と証拠

かつて蔵土の村の風習で、子供を攫ってきては育てた後に殺していました。灰川十三はそれには望んでいなかったかもしれませんが、一定の関与はあったと思われます。多くの子供を引き取り育てていたのは、その罪過を禊するためだったのかもしれません。しかし、子供たちにリッカのマークを付けていたことから、単なる善意だけではなく、何か別の目的があった可能性も高いのです。

クライマックスへの布石

蔵土事件の真相は明かされ、物語もクライマックスに向かっているのではないでしょうか。キーパーソンとなるのは瑕面の男です。彼の正体と動機は一体!?また、狙われる存在であるヒロイン蓮水 花音の運命も気になります。主人公 冴木 仁の秘めたる暴力性や、父親の正体もまだ明かされていません。もしかすると冴木の父のルーツも蔵土と関わりのあるものかもしれないし、まだまだ本作からは目が離せません。

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