主人公は冴えない中年!?「路傍のフジイ」とは
路傍のフジイ(1)
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「路傍のフジイ」は、ビッグコミックスで連載中で、小学館から第2巻まで出版されています。フジイは、目立たない地味な中年会社員です。
彼は職場であまり話さず、社内の飲み会にも参加しないことが多いです。その一見つまらないような存在ですが、彼の人生について知るにつれ、彼に魅了される人も少なくありません。
この独特な魅力を持つ人物を通じて、「幸せ」の一般的な定義を問い直す作品となっています。
「路傍のフジイ」のあらすじ
「路傍のフジイ」の登場人物
- フジイ:主人公。多趣味でマイペースな性格の持ち主。
- 田中:フジイの同僚で、彼を内心見下していたが、フジイの人柄に触れ変わる。
- 石川:同僚でアニメ好きの元風俗嬢。フジイに興味を持つ。
- 矢部:陽気な性格の同僚で、フジイとは対照的だが優しい。
- 多田:フジイが通う陶芸教室の一員。他人の評価を気にする。友人がほしい。
- 相馬:整体師で口下手。人付き合いが苦手で、接客に悩む。
第一巻感想 (ネタバレあり)
不安と孤独を抱える田中
主人公のフジイは40過ぎで非正規社員独身男。会社でも年下の同僚、田中は「ああはなりたくない」と悲観する。ある日田中は休日にフジイを見かける。
田中は不審者のような立ち振舞をするフジイをつい追ってしまう。結局フジイの家に行くことになった田中。哀れみの目で見ていたフジイに対して「なんか…人生楽しそうですね。」と聞くと「はい。楽しいです。」と応えるフジイ。
しかし、上手くもないフジイの弾き語りの演奏を聞いて、田中は何故だか涙を流してしまう。
この「路傍のフジイ」に登場する人物は一人ひとりが意味のある存在と言える。一見パッとしない平凡なサラリーマン「フジイ」。しかし実は平凡なサラリーマンはフジイではなく田中の方だ。
田中は将来への不安や孤独感に苛まれていた。自分と同様に独身であるフジイのことを「寂しい人間」と決めつけていたが、フジイはそんなこと微塵も気にしていなかった。
他人の評価や世間体は一切気にしない。本当に自分のやりたい趣味に没頭することだけを考えている人間がいる。
そんなフジイが田中にとって救いとなった。そして本当につまらない人間は自分であることに気がつく。
元風俗嬢の石川
美人の同僚の石川は元風俗嬢でパパ活をしている。もはや男を異性として興味を持てなくなった石川は、ふとしたきっかけでフジイに興味を持つことに。
石川の好きなアニメをフジイも見ていたが、好きなキャラが石川と一致する。ある日、石川は一緒に帰宅したフジイをホテルに誘うが…断るフジイ。
今まで出会った男で、下心の無い男はいなかった。しかしフジイは今まで会ったことが無いタイプだった。そんなフジイに対して石川はつい、普段パパ活をしていることをカミングアウトしてしまう。
石川はなぜカミングアウトしてしまったのか自分でもわからない。ただ、結局本当の自分を知ってほしかったのかもしれない。フジイなら拒絶することはないと感じたから。
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「路傍のフジイ」読者の感想・評価
- 漫画『路傍のフジイ』は、読者に勇気を与える魅力的な作品。
- 平成時代には受け入れられなかったかもしれない深い内容。
- 不器用で人間関係が苦手なフジイだが、彼の周りの人々は彼に魅了される。
- フジイは偽りがなく、本音を引き出す人物。
- 特定の読者層に訴える内容で、理解されるのは難しい。
- HSP(非常に敏感な人)に読んでほしい。
- 本作を通じて、生きることが楽に感じられるようになる。
- 人間関係や人生の意味を考える人に読んでほしいとされている。
- 藤井のようにはなれないかもしれないが、自分らしさを磨くことが大切。
- 独身のおっさんの日常を描いたマンガで、万人向けではないかもしれない。
わりと賛否ありました。まさに人間関係に悩んでいる人や、自己肯定感が低い人に刺さるのかもしれません。
SNSに疲れた現代人に新たな視点を与える”路傍のフジイ”
漫画「路傍のフジイ」の主人公・フジイは、見た目も特別なオーラもない、どこにでもいる平凡な存在です。しかし、そんな彼の平凡さとユニークな人間性が、読者に新たな価値観を提供する異質な作品となっています。
SNS全盛の現代社会において、常に他人の評価に晒されがちな人々に、フジイの生き方は強く刺さるのです。
この作品は、登場人物たちの人間関係や孤独感をリアルに描き出すことで、読者から共感を呼び起こします。主人公のフジイと、彼の周りの人々との関わりを通して、現代社会の中で孤立しがちな人々の姿が浮かび上がってくるのです。
社会の片隅に生きる”路傍の人々”の姿
「路傍」とは、「道を歩いていく人々」「道ですれ違う人々」「自分とは無関係な人々」という意味があります。主人公のフジイは、そんな路傍の人々の典型のような平凡な存在ですが、深く関わった人たちとっては決して路傍の石ではありませんでした。
彼の生き方は、他人の評価などどうでもよく、自分自身がわかっていれば良いというスタンスです。この姿勢こそが、SNSなどで常に他人に晒されがちな現代人に刺さるのではないでしょうか。
常に誰かに評価され、認められたいとずっと思い続けてきた人々に、フジイの存在は、異質です。”路傍の人々”の姿を通して、この作品は、孤独に向き合いながらも自分らしく生きていく勇気を教えてくれます。
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