第11話「少年と海」感想、考察
希の葬式。クラスメートたちは誰も来ない。結局アキ先生たちや明星たちは帰還するという選択肢さえ無くなってしまったのだろうか。
ラジダニだけは帰ってきた。何故かラジダニは2000年の時を経て戻ってきた。
ラジダニの能力でスペースシャトルを作って元の世界に戻る、ロビンソン計画の再開だ。
ホームシック
ラジダニは2000年もの間旅をしていたという。「世界」によって流れる時間が違うのだろうか。もうラジダニは元居た世界には戻れないのでは。
ラジダニが話す「ホームシック」という世界。
その世界の主は病的な程思い出に囚われ、故郷に捕らわれ続けていた。人っ子一人いない世界。ある時期を迎えるとガラリと作風が変わる。
ある少女の肖像画が現れる。どうやら恋人の絵のようだ。ラジダニ曰く、実際の彼女より美しく描かれていたようだ。
彼は現実を受け入れなかった。恋人も彼に現実を生きてほしいと考えていた。そして彼女は愛想をつかしてその世界から出て行ってしまった。
それから彼は、憑りつかれたように彼女の絵を描き始めた。
その子は彼と美しい思い出じゃなくてまだ形のない未来を一緒につくりたかった、と瑞穂は言った。
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来週はいよいよ最終回!
第12話「二年間の休暇」をお楽しみに👐
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そういえば、瑞穂って左手の薬指に指輪をしていたような。今の瑞穂からは想像できないが、恋愛のエピソードがあった。恋の色眼鏡は度がきついという瑞穂は、自分の事を思い出したのかも。2話の頃の瑞穂はかなり尖っていて、違和感無かったけど相当印象が変わった。
過去に捕らわれた男は漂流者の象徴のようだ。それぞれの世界は主の願望や欲望、深層心理を基に作られているのかもしれない。
世界という殻に閉じこもる様は、現実に戻る気力を失ったアキ先生の着いていったクラスメートたちが思い浮かんだ。
そういった意味ではラジダニもこの世界に捕らわれてしまったのかもしれない。漂流した世界ならポケコンで思い通りの道具も作れる。
知的探求心の塊と言えるラジダニは、元の世界には戻れなくなると分かっていても、2000年もの間旅をし続けたのだろうか。
死ぬことを考えると暗くて、怖くて、お腹がギュッとなる。瑞穂はとても「死」を恐れる。前話で瑞穂の能力がこの世界の死に関わっていることが明かされたが、瑞穂の「死」への恐怖が大きく能力に影響しているのかもしれない。
「死」の発明家
殺戮はせず、肉も食わず、植物も殺さず生きていく断食の世界。彼らは案外幸せに暮らしていた。空腹なんてたいしたことじゃない。
その世界にいた「死の発明家」。死を渇望し、静止した世界を打ち破ろうとした。
実際の彼は悪魔そのものだった。神を罵り、肉を食い荒らし、断食人を侮蔑した。静止を良いことに自殺や殺人の実験を繰り返した。
そして彼はついに死を発明する。彼はその発明を自身で使い死んでみせた。
死んだ彼は依然と何ら変わらないように見えたが、日を追うごとに変化していった。目の前にあることを受け入れ、何も批判せず誰も憎んだりしない。
ブッタのような人間になっていた。彼は衝動の終わりこそが自分の命の終わりだと悟った。
・・・発明家は明星のことだろうか。一瞬死刑用の椅子に座る少年が映るシーンを見る限り、明星?
明星は一緒に漂流したが、どこか達観していた。ラジダニが2000年の冒険から帰ったあたり、もう時系列とかはよくわからないことになっている。長良達と出会う前に明星には明星のストーリーがあったのだろうか。
確かに明星はまさにブッタのような人間だった。しかし、どこか人間らしくなかった。
発明家は何故死を望んだのか。苦悩からの解放を願ったのだろうか。自己嫌悪により耐えられなかったのか。フロイトは死への欲望、デストルドーを提唱している。
フロイトは死の欲動との闘いこそが生、と提唱している。デストルドーの一言で片づけてしまえば簡単だが、人間はだれしも内に衝動的な攻撃性を秘めているとは思う。その衝動は方向性はどうあれ生きるための「エネルギー」なのかもしれない。
その発明家は欲望に駆られ、「自殺」というかたちで内に秘めたる衝動を消してしまった。しかしその衝動こそが「生」と相反するものだった。彼は、なんの欲望ももたない抜け殻のような人間になってしまったのかもしれない。
明星とヴォイスの関係性はストーリー序盤から気になっていたが・・・そこら辺は明確な答えは出ない気がする。
[st-kaiwa3]もしこの発明家が明星だとしたらヴォイスは、「自殺」したため消された「デストルドー」を象徴する概念的な存在、とか。 ヴォイスは世界に「死」を作ろうとしていた。漂流は現実から目を背けた少年少女たちの世界だとすると、その束縛から抜け出して現実へと戻ろうとする意志を持てたのは、長良、瑞穂、そして希の3名だけだった。[/st-kaiwa3]
ラジダニ曰く、希はもう戻らないという。しかし、まだ意志は残っている。コンパスを長良に渡す。
希との約束
希との回想。
もし元居た世界に戻っても、どっこい生きているかもしれないと希は言う。この期に及んで超絶前向きだ・・・。帰ったらソレイユのオムライス食べて・・・グレイスのイチゴいっぱい乗ってるやつ食べて・・・食べ物の話ばかりする希。希は概念的な存在かもと予想していたが、彼女は元居た世界でも普通の女の子だったようだ。
もう一回私と友達になってくれる?って。そしたらそいつどんな顔するだろうな。希は言った。
号泣する長良。能力遺物になってしまった彼女にとってもう叶わない夢となってしまったんだろうか。
覚えていた方が言うことにしよう「もう一回友達になろうって。絶対に断らないって」。希との約束ももう叶わないのだろうか。
ロビンソン計画に追加したい項目があるとラジダニに言う。コンパスの能力はまだ死んでいない。希の意志はまだ消えてはいない。
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本日、BS朝日にて23時から放送予定の
第11話「少年と海」もお楽しみに👐
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まとめ
サニーボーイもあと最終回を残すのみとなりました。今回はぼんやりとした内容を書き殴ってしまいました。この作品は、曖昧な部分が沢山あるので、それぞれ捉え方は全然違ってくると思います。とにかく後は最終回を待つのみ。長良は「漂流」を経験することにより、大きな成長を遂げ、現実へ戻るという選択をしました。元居た世界に影響はあるのかわかりませんが、何かしら報われてほしいですね。
コンパスとなった希は現実世界で長良と再会することはできるのでしょうか。
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